薬局の電子化を進め、医療の未来を変える
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今回は事業インタビューとして、DI(「医薬品情報」のこと、Drug Informationの略)配信サービス『アスヤクDIポータル』をご紹介します。
全国の薬局に毎月1回、製薬企業・医療機器メーカーからの原稿をまとめ、封書で発送する『医薬情報おまとめ便サービス』(以下「おまとめ便」)などを展開する医薬情報事業の、「新定番」となるサービスについて深く知る機会になれば幸いです!
今回お話を伺ったのは…?
Kさん:医薬情報事業部・事業部長
Aさん:アスヤクDIポータルのサービス企画・運営を担当、前職・薬剤師
アスヤクDIポータルとは
Kさん「製薬企業・薬剤師間のコミュニケーションを支援するプラットフォームです。
具体的には、製薬企業がタイムリーに伝えたい医薬品情報(DI)を薬剤師がいつでもどこでも閲覧可能なポータルサイトです。
勤務先の薬局などの情報は会員登録の際に必要ですが、登録していただければ薬局・薬剤師は無料で利用できます!」
Aさん「製薬企業・薬剤師の双方にとってこれからの「新定番」になりうるサービスという点ですね。
アスヤクDIポータルは、紙媒体では実現されなかったリアルタイムに近い情報更新が可能といった、デジタル媒体のメリットを活かしたサービスです。
ユーザーである製薬企業と薬剤師の両者にとって以下のようなメリットがあります。
製薬企業はインターネット環境さえあれば、配信したい情報を即時に薬剤師の元へ届けられますし、薬剤師は情報が整理された状態で確認できます。」
Aさん「100社に及ぶ製薬企業の公式サイト等から新着情報を取得し、それぞれの情報カテゴリの分類を行った上で、その中でも特に重要と思われる情報をピックアップしています。
こうすることで、ユーザーの薬剤師はピックアップされた情報を中心に確認すれば、重要トピックを見逃すことがなくなります。
多岐にわたる業務の中で、情報収集の時間を削減するためにアスヤクDIポータルが役立つんです。」
Aさん「薬剤師と一括りにしても病院と薬局では業務内容が大きく異なるので、今回は学生さんにも1番身近な薬局の薬剤師を例にして話しますね。
薬剤師の仕事は、『処方箋に書いてある薬を渡す』ことだと思っている人が多いのではないでしょうか?
実は、『調剤』の業務も、処方箋に書いてある通りの薬をお渡しするわけではなく、処方箋記載内容が保険適用内の適切な用法用量になっているか、併用薬との相性は問題ないかをチェックするなどの工程があります。
最近では、むしろ『薬局の外』でのお仕事の方が重要視されてきているんですよ!」
Aさん「そうなんです!
平たく言えば『アフターフォロー』なのですが、患者さんにお渡ししたお薬が正しく使われているか、副作用と思われる体調変化が起きていないか、後日患者さんに確認の連絡を差し上げることもあります。
また、『薬薬連携』というお仕事もあります。
病院とその近隣薬局との連携活動の一環で、病院で実施されるカンファレンスに参加することです。
カンファレンスとは、患者さんが退院するタイミングで治療に関わる重要な情報を共有する場で、この場を通じて病院に勤務する薬剤師から薬局勤務の薬剤師へバトンタッチが行われるイメージですね。
最近、注目されている『在宅医療』についても、ケアマネージャー、訪問看護師や往診担当の医師と連絡を取り合い、適切な薬物治療のための提案を行ったり…薬剤師が担う役割はとにかく増えました。」
アスヤクDIポータルへの道~紙からデジタルへ~
Kさん「まず、簡単に言えば、アスヤクDIポータルはおまとめ便のデジタル版です。
私たちが所属する「医薬情報事業部」が発足する以前、『医薬品情報BOX』というFAXサービスを提供していたのですが、インターネットの普及に伴いFAX需要が低減していき、このサービスからは撤退しました。
日本薬剤師会とは『医薬品情報BOX』ならびに『FNX一斉同報サービス』といったFAXサービスをご利用いただいていたという関係性があり、日本薬剤師会が発行する、現在まで続くおまとめ便の発足に至りました。
紙媒体で発行しているおまとめ便をデジタル化して、より利便性を高めていくことを目的としてアスヤクDIポータルがリリースされた、という経緯ですね。」
Kさん「おまとめ便をはじめ、業界内で紙媒体でのやりとりが慣行となっている状況下で、いきなりデジタル媒体へ移行することは難しいと感じました。」
Aさん「薬局ではFAXもよく利用していたほど、紙でのやりとりは定着していました。
私の前職は薬剤師なのですが、当時はペーパーレス化しましょう、デジタル化を進めましょう、と言われてもイメージが沸かなかったですね(笑)」
Kさん「そこで、「デジタルへの入口」をつくることで、デジタル化されたもの=アスヤクDIポータルへの抵抗感を減らすようにしました。
具体的には、薬剤師向けの資格取得支援ポータルサイトである『アスヤクLIFE 研修』や、薬剤師の取り組みを共有する場としてのプラットフォーム『アスヤクLABO』をはじめ、薬剤師個人に向けたキャリア支援を目的としたサービスを「デジタルへの入口」として展開しました。」
Aさん「私が勤務していた薬局では、おまとめ便を受け取っていました。
また、アスヤクLABO内でオススメとしてピックアップされていた書籍を読んだりして活用していましたね。」
Kさん「まさしく追い風になりました、と言えるかと思います。
というのは、コロナ禍を機に、製薬企業のMR(Medical Representativeの略、医薬情報担当者)が直接、薬局を訪問して医薬品情報を提供する機会は減ってしまいました。
この状況を受け、薬局への情報伝達の新たな手段としてアスヤクDIポータルをお役立ていただけるのではないかと考え、提案をしている最中です。
おまとめ便の更新頻度(配達ペース)は月に1回であったのに対し、リアルタイムで更新されるなどデジタルの利便性をお客様が実感された結果として、現在もアスヤクDIポータルのご利用件数は順調に伸長しています!」
アスヤクDIポータルがつくる未来
Aさん「機能面ではAPI連携はもちろんのこと、薬剤師が普段から利用しているツールからアスヤクDIポータルへ…という導線が理想的です。
ただ単に便利な機能が色々あるWebサイトを作るのではなくて、薬剤師の業務導線を考え、その中で当たり前のように活用してもらえるようなサービスにしていきたいですね。」
Aさん「現在のアスヤクDIポータルは、情報発信と情報収集に特化しているポータルサイトなので、その点に関してはユーザーの皆さんに一定の価値を感じていただいていると考えています。
ここから更に、レコメンド機能などユーザーごとにカスタマイズされた情報取得が可能になる…といったステップに踏み出せるといいなと考えていますね。
また、現在は製薬企業と薬剤師を対象としたポータルサイトですが、いずれは薬剤師会や医療機関、医薬品卸業者、ケアマネージャーなど薬局を取り巻く様々なステークホルダーとのコミュニケーションが可能なポータルサイトにしていきたいと考えています!」
Kさん「2点あります。
まず、デジタルを駆使して情報を編集し、適切な方に届けるということです。
従来は媒体が統一されていない中で情報の受発信をしていましたが、これからはアスヤクDIポータルを普及させていき、デジタルの情報として更に広範囲に届くようにしていきたいですね。
次に、DI配信だけに限らない薬剤師の業務負担軽減ですね。
薬局の業務は多岐にわたっており、潜在的な課題も多いため、DI配信に留まらない業務改善の支援をしていきたいです。」
Kさん「医薬情報事業部としてのミッション(使命)は「医療における「知らなかった」をなくし、その人らしい生き方の選択ができる社会をつくる」というものを掲げています。
上記のミッションを実現するためのビジョンは「薬剤師を取り巻く情報の改革を通じて医療情報が人々に適切に届くことを支援する」というものです。
最終的に達成したいミッションはビジョンとは異なり、「薬剤師」が主語になっていないんです。
アスヤクDIポータルはビジョンを達成するためのツールのひとつでもあります。
医療従事者の皆様のお力もお借りしながら、医療従事者だけでなく患者さんやその家族など全ての人に医療情報が行き届いたうえで、その人にとって正しい選択ができるようにする、この社会の実現に向けた仕事をしていきたいです!」
まとめ
ネクスウェイのサービス『アスヤクDIポータル』はいかがでしたでしょうか?
個人的には、今まで培ったコネクションを活かした新サービスであるという点に、ネクスウェイらしさを感じました!
日本薬剤師会とのつながりを大切に、FAXから紙の小冊子へ、そしてこれからはデジタルの情報へと進化していく様相は「デジタルとアナログを結び付ける」、その姿を体現しているように思えました!
【ご案内】
ネクスウェイでは一緒に働く仲間を募集しています。
詳しくはぜひネクスウェイの採用サイトをご覧ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました😊
それでは、また次回のnoteでお会いしましょう!
この記事は2024年2月20日時点の情報です
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